2017年5月2日

「それいけ ウォンウォンマン!」
〜光るデコにサロンシップ〜


「あいだー!」と大きな声出してどこに行くんだウォンウォンマン。
今どき、人助けなんて流行らんぞ。助けたって良い事なんて何一つありゃしないなんて、
子供の頃、教えてもらっただろう?
あーすまんな。君には教えてもらえる人なんていなかったな。それじゃあ仕方ない。
君の好きなようにするがいい。ごめんね。

「あ!あそこに泣いてる子がいるぞ!」

・・・そんなわざわざ、声に出さなくったっていいでしょうに。
そうやってOTKのカゴ付き自転車(ギアなし)をこぐスピードが
若干落ちたところで間に合うのか。
あと、30q先まで走らんといけんのだぞ。

「ビや〜〜〜!!」

あぁっと、あまりの遅さに2534527q先の子供が泣いてしまった。それから
2時間41分38秒経った後で、ウォンウォンマンは
子供のところにたどり着くことができた。

「ゼぇ〜ぜぇ〜げっ 誰も いねぇえ!」

他人に泣いて頼るなんておかしいな、やめよう。と
子供はすっかり悟りきって独りで問題解決したようだ。

「他力本願はダメだわ。自力本願でいきましょ!
ねぇ、あなたも他人の食堂で飯なんて食ったらダメよ〜〜!」

泣いてたとは思えない満面の笑みをウォンウォンマンにぶちまけ言い放ったこのセリフは
彼の汗にまみれた脇と脳天にぶち刺さった。

今まさに! この瞬間!!!
1億5755個の細胞が死滅してしまった。

「もう、帰ろう…」

額に貼ってあったサロンパスがカピカピに乾き、はがれ落ち、
砂利にまみれて知らぬ間に踏んずけてしまったことに気づかないウォンウォンマンは
全速力でOTKのカゴ付き自転車(ギアなし)をこぎ、その場を去ったのである。




2017年1月10日

   『鏡の伝説』
〜カオス-フラクタル理論が
 世界を見る目を変えた〜


※フラクタルのイメージ図

様々な個体が複合して犇めきあっている状態=カオス(混沌)と、
規則だったルールが備わっている状態=秩序との間には
カオスと秩序を繋ぐ複雑でとても壮大なヒモがある。
それは、フラクタルである。
コンピュータで作られた”フラクタル”は自然の形に多く見られる。
木の枝や波の形、リアス海岸の凹凸を近づいてよく見ると、元の形と同じ形が
幾重にも絡み合って出来上がっている。単純な形が複雑に入り組んだ構造をもっているのだ。
最初はカオス的にぐちゃぐちゃだった形が、だんだんと規則立っていき独自の秩序が生まれる。
そしてまた、カオス状態へと移行し新たな秩序を形成する。
秩序とカオスは相互関係にあり、お互いを繰り返すことで
マクロな地球全体、宇宙全体を安定させ調和させるのだ。
フラクタルは秩序とカオスの両方を併せ持ち、
ミクロな空間にまで広がる、永遠の世界である。


地球とは大気や細かな塵の集合して生まれたように
人間含むあらゆる個体も、ありとあらゆる分子で構成されているように
様々な特色を持った何万個もの細胞が集合した複合体である。
その分子一つ一つが全て有益で秩序立った働きをしているのではない。
中には一見すると無駄な動きをしているものや、怠けているものが必ず存在する。
しかし、有益な細胞と無益な細胞がお互い活き活きしている状態こそ
健康さを保ち安定させるのだ。
働きがどちらかに傾くと身体は不調をおこし、病気になったり死んでしまう。
有益な細胞だけが働いても不安定になり全体として滅びてしまうのである。


個体を、世界や国に例えても同じ事が言える。
国が個体としたら、人間は一つの細胞である。
皆が皆、同じ行動を取り似たような細胞ばかりが集合するとどうなるだろう。
たちまち安定性が崩れ衰退の域を辿るのではないだろうか。


〜ここからは、本の一節を引用し考察する〜

 『自己相似性が複雑な形をつくり出すのに
  とても本質的であることに留意していただきたい』

"自己相似性"とは、

 『全体と同じ構造がどんな小さなスケールの部分にも繰り返されるという事』
と、いう事は、その逆も存在するはずである。

どんな些細な事でも全体の動きへと繋がっていると考えるのは極論ではなく
もはや常識化してきている。
しかし、全体的な調和が崩れて来ている今、個々の定義が問われてるのではないだろうか。

 『人間社会では、個人の自由と全体の要求とはつねにぶつかり合ってきたが
  個人とは、全体的な調和の中でのみ存在しうる抽象的なものである』

と、いう観点でみると、
現代の世の中の全体は、はたして調和しているのだろうか。


 『バクテリアが大気を変え、大気がバクテリアを進化させた』

ように、

 『大きなスケールと小さなスケールとを分離して扱うことはできず、
  つねに同時に考えなければならないというフラクタル的な思想』

を通していくことが今後とも必要かもしれない。











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